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らっきょうとエシャロット栽培の手順とコツ!初心者から始める上手な植え付け方
らっきょうは初心者でもカンタンに出来る野菜栽培
ラッキョウは寒さに強く、土壌を選ばない上に、他の野菜のようにお世話の回数が頻繁ではなく、ある程度放任してもしっかり育つ野菜です。
しかも、病害虫の発生も少なく、とって育てやすい野菜です。
植え付け方と土寄せをしっかり行えば比較的カンタンに栽培できる野菜ですし、らっきょうは基本的に「ニンニク栽培」に近いものがありますので、ニンニク栽培経験者はすぐにコツを掴めますし、野菜栽培初心者の方はぜひファーストステップとして取り組んでほしい野菜です。
https://kanefarmcompany.com/2019/07/03/garlic/
植え付けの期間
基本的な植え付け時期は8月中旬から遅くとも9月後半までに植え付けます。
下の図がらっきょう栽培の基本的なスケジュールです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
追肥or土寄せ | エシャロット収穫 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
ラッキョウ収穫 | 土作り | 植え付け |
7月後半~8月序盤にかけて土作りを行い、9月前半から後半にかけて植え付けを行います。
そして図のカレンダーを見て分かる通り、植え付けが終わったら3月の追肥・土寄せまで空欄が続いています。
と言うのも、らっきょうは頻繁なお世話を必要としない野菜のため、基本的に植え付けが終わったら、3月の土寄せ時期まで放置状態でOKです。
もちろん、乾燥に強く、湿気に弱い作物ですので、水やりも極端に乾燥していると判断出来るまで行う必要はありません。
らっきょう畑を作る際のコツ
らっきょう畑を作るときは、耕した土をこんもり盛った「畝(うね)」を作ります。

らっきょうの畝を作るコツは「水はけ及び、風当たりが良く、乾燥しやすいように作ってあげること」です。
らっきょうは「湿気に弱い作物」です。
栽培を行う土地が水はけが良く、乾燥しやすい土地でしたら畝は平らでも問題はないのですが、水はけが悪く、湿っている状態が多い土地の場合は要注意です。
そこで水はけが悪い土地で栽培する場合のおススメの畝の作り方は「畝を高く作ること」です。

畝を高く作ることで、水が上から下へ流れやすくなり、高い畝の部分に風が良く当たって乾燥しやすくなります。
ちなみにボクが住む青森県は土に雪解け水を多く含んでいますので、意識して畝を高く作るようにしています。
プランターで栽培する場合は、常に湿気でジメジメしている場所に設置するのではなく、日当たりが良く、乾燥した場所に設置して栽培するようにしましょう。
らっきょう栽培の土作り
らっきょう栽培の始めのステップとして「土作り」から行っていきます。
土の作り方は、良く耕した土に「堆肥」「枯草」「米ぬか」を撒きます。

草をすきこむ際は「刈り取ったばかりの生の状態の雑草」はNGです。
刈り取ったばかりの雑草は、なかなか発酵しないため、養分になりにくく、中に水分をたくさん含んでいるため、発酵するときその水分が土中に染み出し、その水分で種が腐ってしまう恐れがあります。
ですので、水分が完全に抜け切り、茶色くカラカラに乾ききった「枯草」をすきこむようにしてください。
刈り取った雑草を日当たりの良い場所で乾燥させるか、お家で行う場合はドライヤーを当てて乾燥させるのもアリです。
そして撒いた材料をくわでしっかりすきこみます。
らっきょうの根は土の浅い部分に張りますので、特に土の表層部分を丁寧にすきこむことがポイントです。
https://kanefarmcompany.com/2019/08/28/soil/
らっきょうの植え方と手順
らっきょうは「種球」を種販売の専門店及びホームセンターで購入し、鱗片をばらして植え付けます。
このとき大事なポイントは「必ず尖っている部分を上に向け、根の生えている部分を下に向けて植えること」です。

そして植えつけるときは「25㎝間隔」で、植え付けの深さは「第一関節の長さ」を目安にし、あまり深く植えないのがコツです。

あまり深く植え付けてしまうと、実が大きくならず小ぶりの実となってしまいます。
もう一つのポイントが「1か所に『2個ずつ』植え付けること。」

こうすることで、根が良く張り、ゴロっとした大きめのサイズのらっきょうが育ちます。
らっきょう栽培時の水やりのコツ
らっきょうは植え付けたときにたっぷり水をかけ、後の水やりは基本的に不要で、日常的に降る雨水で充分です。

らっきょうもまたニンニク同様、湿気に弱い作物ですので、必要以上に水をかけてしまうと根腐りの原因となってしまいますので、土が余程ガラガラに乾燥でもしない限り気にする必要はありません。
追肥時期と土寄せについて
追肥するときは「2月~3月頃」を目安に行うのが基本ですが、らっきょうは自生の力が強いですし、植え付け前に土にたっぷり栄養を与えていますので、ボクは基本的に行いません。
それでもキチンと育つことは育ちます。
では、この時期に何をやるかと言うと「土寄せ」です。

らっきょうは浅く植えてるうえに、根が伸びると地面の上に押されて出てきます。
らっきょうに光が当たってしまうと緑色に変色してしまいますので、それを防ぐために、根元に土寄せをして防ぐようにします。

収穫時期と収穫後の処理について
7月前半頃、地上の葉が茶色く枯れてきたころを見計らい、収穫を行います。

らっきょうを収穫したらすぐに根を切り落とします。

そして日の当たらない風遠しの良い場所で保管するようにしましょう。
らっきょうは自生の力が強いですので、日が当たる場所に置いておくと、また根が出始めてしまいます。
2年目に収穫を持ち越すのもおススメ!
らっきょう栽培でもう一つおススメしたい方法が「2年掘り」です。
2年掘りとは、読んで字のごとく、1年目に収穫せず、2年目から収穫するという方法です。
と、言うのもらっきょうの収穫を2年目に持ち越すと、コロコロした小粒のらっきょうが数十個収穫出来ます。
らっきょうは1年目に収穫するとゴロっとした大きめの実が収穫出来るのですが、持ち越して2年目に収穫すると小粒となります。
下の画像だと、左が2年目に収穫したらっきょうで、右が1年目に収穫したらっきょうです。
2年目のらっきょうの方が、1年目よりも小粒ですよね。

これは必ずこうしなければいけないというものではなく、どちらかと言うと「好み」の問題です。
大きめのらっきょうが良いという場合は、1年目に収穫していただければよいですし、小粒のらっきょうが良いという場合は2年目に持ち越すのも全然アリです。
特に2年目に収穫した小粒のらっきょうは「酢漬け」に最適で、味も染みやすく、よくカレー屋さんにサービスで置いてある付け合わせのらっきょうは2年掘りが主流です。
早めに摘むと「エシャロット」となる
ボクも初めは知らなかったのですが、実はらっきょうとエシャロットは同じもので「収穫が早いものか?」「収穫が遅いものか?」だけの違いです。
そしてエシャレットとは、若い時に収穫するラッキョウのこと。
なので、エシャロットを収穫する場合は、9月辺りに植え付けて、4月後半か5月前半の早い時期に収穫し、らっきょうを収穫したい場合は、初夏にかけて大きくなったものを収穫します。
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
植え付け | エシャロット収穫 |
7月 |
らっきょう収穫 |
エシャロットを栽培するときのコツは、らっきょうよりも深く植え付けることがポイントで、大体「5㎝」を目安にして植え付け、大きく育てる必要がありませんので、植え付ける間隔も狭くとって10㎝~15㎝辺りの狭い間隔で植えていきます。

収穫したらっきょうの保存方法と美味しく食べるためのコツ!

らっきょうを保存する際の基本
らっきょうは、根を切り落としても自生の力が強いですので、常温で置いておくとまた根が生えてきてしまいます。
ですので、光が当たらないように「新聞紙」でくるみ、冷蔵庫のような気温の低い場所で保管するようにしましょう。

ですが、「冷凍庫」のような冷たすぎるところで凍らせてしまうのは、香りが落ちてしまいますのでNGです。
なので、冷凍庫で保管するときは「野菜室」のような箇所で冷蔵するようにしましょう。
おススメの保存方法は「酢漬け」と「オイル漬け」
野菜というものは、収穫した瞬間から鮮度が落ちるようになっています。
それはらっきょうも例外ではありません。
なので、一番良い方法は「調理して保存しておくこと」です。
そこでおススメなのが、らっきょう保存の王道とも言える「酢漬け」です。
作り方としては、らっきょうを塩でしっかりと下漬けをしてから塩抜きを行い、その後甘酢に漬けるという2つの工程を踏みます。
このほうが辛みが緩和されてマイルドな味になるのです。
ちなみにボクのおススメは「鷹の爪」を入れること。
こうすると、ピリっとアクセントのある辛みを楽しむことが出来、甘辛く仕上がるため、ご飯のお供に最適です。
らっきょうを連作障害・病気から守る上手な対策の仕方!

らっきょうは連作障害の出にくい野菜
同じ場所で同じ作物を続けて栽培することを「連作」といい、やがて生産量が減少してくることがあります。
これを連作障害と言い、連作をすると土の中で養分が偏りやすくなり、特定の養分だけが以上に増えたり、不足したりしてきます。
この辺りが野菜栽培を行う上で一番の悩みところであり、これを防ぐために植え替えのための次の作物を決めるためにはある程度の経験が必要になってきます。
しかし、ラッキョウは連作障害が出にくいため、同じ場所での連作が可能です。
なので、連作障害を防ぐための植え替えで悩む必要がなく、連続して植えていっても大丈夫な作物であるというところが、らっきょうを野菜栽培初心者におススメしたい点です。
簡単にできるおススメの病気対策
らっきょうは病気になりにくい作物であるのですが、一度病気にかかると他の健康的な種にも伝染していく可能性が高いですので、ある程度の病気対策は必要です。
対策と言っても、そんなに面倒なことではありません。
ボクが行っている病気対策は主に、
1・見た感じでわかる「腐ってたり、妙な斑点がある種」は使用しない。
2・水はけが良く、乾燥しやすい環境を整える。
3・肥料をやり過ぎない。
ぐらいです。
これだけだったら難しく考えることなく、カンタンに出来そうですよね?。
肥料のやり過ぎも病気の一因
作物を育てるとき、どうしても「ちゃんと育ってほしい」という親心から、たくさん手を掛けたくなり、ついつい肥料や水をこまめに上げたくなってしまいます。
しかし、らっきょうは逆にこまめに肥料を与えてしまうと、かえって病気になったり腐りやすくなってしまいます。
何度言うようにらっきょうは「自生の力が強い作物」です。
なので栽培する際は何度も手を掛けるような「甘やかして育てる」のではなく、ちょっと放任するぐらいのつもりで自生の力に任せるのが一番です。

病気になりにくいらっきょうの種の作り方。
病気になりにくい種を作るためにボクがおススメするのが「天日干し」です。

日差しに当てることによって殺菌され、より病気に強い種となります。
そして夕方ごろに取り込むのですが、保管場所は湿気の多いところではなく、乾燥した風通しの良い場所で保管するのがポイントです。
まとめ
らっきょうは病気になりにくく、頻繁なお世話も必要としない上に連作を続けても問題ないという、まさに野菜栽培初心者におススメの作物です。
また収穫時期、及び植え付けるときの深さを調整することで「小ぶりのらっきょう」や「エシャロットの栽培」などなど、調理目的や好みに合わせることも可能です。
野菜栽培の魅力を感じるための一番大切なことは「栽培に成功した!」という「成功体験」を体感することが大事です。
なので、らっきょうやニンニクのような比較的イージーな野菜から挑戦してみることで、野菜栽培の成功体験を体感し、野菜栽培の魅力を感じることが出来ると思います。
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