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初心者から始める自然農での白菜栽培!おススメの種まき時期から結球の仕組みを解説
白菜の特徴と栽培難易度
ハクサイ(白菜)はアブラナ科の大型の野菜ですが、コツさえつかめれば家庭菜園でも簡単に育てることが出来ます。

ハクサイに含まれる栄養価はビタミンB・C、カルシウム・カリウムを多く含み、血液をキレイにしてくれる効果があると言われています。
ハクサイは鍋の具はもちろん、煮物や炒め物・漬物にしたりと野菜が不足する冬場に重宝する野菜です。
他の野菜に比べて、お世話の頻度も多く、難易度は少々高めですが、野菜栽培の楽しさを感じ始め、ステップアップしたい方にはうってつけの野菜ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
白菜栽培に最も重要な「結球」とは?
白菜の一番美味しい部分は「白菜」の名の通り葉の白いの部分です。

この白菜の白い部分が、みずみずしくシャキシャキして一番美味しい部分ですし、キムチやお鍋などの食材として一番重宝されます。
そのため、白菜栽培の最大の目的は「葉の白い部分を大きく育てること」であり、そのために一番重要なポイントが「結球させること」です。
結球とは、植物の葉が重なり合って球状になることで、皆が白菜と呼ぶのは、葉が重なりあ合って球状になった部分のことです。

白菜は外葉が20枚以上になると結球を始め、結球が行われることで、みずみずしく、シャッキリとした歯ごたえのある白菜へと育ちます。
しかし結球が行われないと、ただの葉っぱになってしまい、食べれなくはありませんが、白菜が一番美味しい白い部分がなくなってしまいます。
初心者は直撒きがおススメ
白菜の植え付けは、ポットに種を撒いて、そこで育った苗を畑に植え付けて育てる方法がベターなのですが、ここではあえて直撒きをお伝えしています。
直撒きとは、ポットで成長させた苗を植えつけるのではなく、種をじかに畑に撒いて育てる方法です。

と、言うのも、ハクサイは発根の力が弱く、根自体もとってもナイーブなので、ポットから移す際に根を痛めやすく、ちょっとでも傷がつくと、もう成長しなくなってしまいます。
なので、根を痛めやすい移植栽培よりも、直播き栽培の方がスムーズに生育しますし、栽培初心者にとっては一番リスクが少ないうえに、早くから、その土壌環境になじんでいますので、病気に強い苗に育ちます。
白菜栽培の失敗しない時期選び
白菜は栽培時期がズレると、結球しなかったり、害虫に葉を食い荒らされてしまいますので、注意が必要です。
そこで種まきの時期は、9月の前半頃の暑さのピークを通り越し、涼しくなり始めた頃がおススメです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
土作り | |||||
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
植え付け | 収穫 |
暑さが下り坂を迎えた頃に植えつけると、白菜の生育環境に一番適した涼しい環境の中で育つことが出来ますので、結球しやすく、害虫も少なくなってますので、病気や虫食いに合いにくい作物に育つことが出来るのです。
※早めに涼しくなる東北・北海道地方は8月前半の植え付けがベスト!。
比較的早く涼しくなりやすい東北・北海道などは8月前半頃を目安に植え付けるのがベストです。
ちなみにボクの住む青森は、ねぶた時期を終える8月前半頃には涼しくなり始めますので、そこを目安に植え付けを始めます。
と、言うのも、他の地方より早く涼しくなる東北・北海道地方では、寒さの訪れも早く、葉数が充分揃う前に寒さが訪れてしまうと、結球することが出来なくなってしまいます。
白菜栽培の種まき・移植・肥料の与え方のコツ!初心者でも失敗しない栽培手順

白菜栽培の方法と手順
白菜の栽培方法は、次のような流れになります。
①土作り。
②種まき。
③水やり。
④間引き。
⑤追肥。
⑥収穫。
モチロン一番重要な項目は、言うまでもなく「土作り。」
ここが出来ていないと、その後どんなに良いお世話をしても実りませんので、しっかり土に栄養を施すようにしましょう。
あとは「乾燥させないこと」が大事です。
白菜はとにかく乾燥を嫌い、ちょっと暑い日が続くとすぐに根が乾燥して痛んでしまいます。
なので「水やり」をしっかり行って、乾燥するのを避けるようにしてください。
白菜栽培時の土作りとおススメの元肥
ハクサイの根は細いですが広く分布するので、土を耕すときは深めに耕し、水はけ、通気性、保水性にすぐれた土壌を用意します。
土作りの際におススメなのが「腐葉土」「米ぬか」「油かす」の3種です。
これを植え付け1か月前に土の表層部分に混ぜ込んで作ることをおススメします。
その後、畝幅50cm、畝の高さは砂質の土壌では10㎝、粘土質の土壌の場合は20㎝くらいの高さにして畝を立てます。

土作りは、白菜栽培だけに限らず、全ての野菜栽培のベースとなりますので、しっかり栄養を施して、外葉を大きく育てていくようにしましょう。

種まきするときの手順
種まきの手順は以下の5つです。
①植え付けポイントに筋状に水を掛ける。
②種を1箇所に3粒ずつ撒く。
③撒いた種を指でしっかり押し付ける。
④土を被せ、水を掛ける。
⑤防虫ネットを設置する。
始めに、種を撒くポイントに水を筋状にたっぷりかけてあげます。

水を掛けたら種を撒いていくのですが、ボクの場合は、株間40センチほど空け、1穴に3粒ずつトライアングル状に撒いています。

なぜ1箇所に3粒も撒いてるのかは、撒いた種が全て芽が出るとは限らないので「保険」も兼ねて多めに撒いてます。

トライアングル状に撒いていく理由としては、3粒同時に発芽して成長したときに「間引き」という作業を行わなけれないけませんので、後々の芽かきをやり易いようにするためです。
種を撒いたら、種を指でしっかり押し付けます。

指でしっかり押し付けることで、土に根を下ろしやすく、スムーズに活着が行われるからです。
土から種が浮いていると、根を生やしても、根が乾燥してダメになってしまいますので、種が土に密着するように、この作業はしっかり行ってください。
種を圧着したら、その上に土をかけ、水をたっぷりかけてあげます。

最後に、防虫ネットを設置して植え付けは終了です。

防虫ネットは種まきしたら、その日のうちに設置することが肝心です。
芽が出て、虫が湧いてから設置しても、ネットの中で虫を飼ってしまうようなものなので、虫が湧く前に設置するようにしましょう。
水やりはこまめに
白菜はとにかく水分を要する作物なので、水やりは必須の作業です。
特に植え付けた後は根付くまでたっぷりと水を与えてやりましょう。

水やりのポイントは「早朝」に行うことで、根付くまでしっかり水をかけてあげます。
夕方や夜に行うと徒長になるので注意してください。
白菜は2週間程度で根付き、根付くと急激に葉が育ち始めます。
その後の水やりは少なめにし、頻繁にではなく、乾燥が続かない程度にあげるようにしてください。
ある程度成長してから、土壌が多湿過ぎると根腐りなどが発生しやすくなるので、注意してください。
苗を移植させるときの注意点
撒いた種が成長して、1本の苗に外葉が4,5枚ほどついてきたら、間引きして、1穴1本にします。
と、言うのも、1箇所に苗が密集してしまうと栄養の取り合いとなりますので、移植して離してあげる必要があるからです。
苗を移植させるときのポイントは「根を傷つけない」「根を乾燥させないこと」です。
白菜の根はとってもナイーブで、ちょっとの傷や乾燥ですぐにダメになってしまうので、一番注意が必要なポイントです。
移植させるときは、シャベルを苗から少し離して入れ、周りの土ごと掬う感じで掘り起こし、必ず水を掛けながら行うようにしてください。

苗を掘り起こしたら、空いてるスペースに苗を移植させます。
このとき、移植させるポイントにもたっぷりと水を掛けて移植させてください。

白菜栽培追肥のコツと注意点
白菜を結球させるためには「外葉」を大きく育てることが大事です。
そのためには、こまめに追肥して外葉を十分に育ていきましょう。
白菜は葉物野菜ですので、葉を大きく育てるために「窒素」が多めの肥料がおすすめです。
追肥は2週間に1回ほどのペースでこまめに行い、追肥するとき、土が乾燥していると肥料を吸収しませんので、充分土に水分を与えた上で追肥するようにしましょう。

肥料を撒くときのポイントは「株元の周りに撒くようにし、白菜に直接かからないようにすること」です。
肥料が葉に付いたままだと、白菜の葉が肥料焼けを起こしてしまいますので注意してください。

白菜収穫の目安
植え付けから約100日前後で、収穫期を迎えます。

収穫する際の目安は、ハクサイの頭を手で押さえてみて、かたく締まっていたら収穫できます。
外葉を開いて結球部分を横に倒し、根元を切り取って収穫します。
霜や寒風にさらされると、球の頂部や外葉がカサカサになり、そこから腐ったりしてくるため、初霜が降りる前に収穫を終えるようにしましょう。
白菜栽培トラブル対策!結球しない原因・農薬を使用しない虫食い対策から連作障害対策

結球しない原因とは?
葉が巻かなかったのは、定植時期が遅かったか、元肥が不足し、土に栄養が充分行き渡っていなかったことが原因です。
結球には、初秋の成長期に一定の葉数が育っている必要があります。
そのためには、適期の種まきと元肥をしっかり与え、健全な苗に育てることが大切です。
本格的な寒さがくる前に、外葉が大きく広がり、しっかり育っていれば、放っておいても巻き始めます。
もし、寒さの訪れが例年より早く来てしまった場合は「ビニールトンネル」を設置して保温し、生長の遅れを取り戻しましょう。
白菜栽培初心者のための農薬不使用のカンタン虫食い・虫よけ対策
虫除けを行うために、専用の農薬を使用して虫が付かないようにする方法もあるのですが、農薬使用に抵抗がある方におススメの方法が「周囲にトウガラシを栽培すること」です。

白菜の周りにトウガラシを栽培することで、そこから発生する「カプサイシン」を虫や鳥類は嫌いますので、完璧に防げるわけではありませんが、かなり効果があります。
トウガラシを栽培していなくても、100円ショップで販売されている「水やりスプレー」にトウガラシと水を入れてシェイクしたものを葉に振りかけるのもカンタンでおススメです。
白菜の連作障害対策
白菜が属する「アブラナ科」は連作障害を起こしやすい科目です。
そのため、連作障害を避けるために、輪作でのローテーションを行って、同じ場所での栽培間隔を2~3年空けるようにしましょう。

また、輪作を行う際、同じアブラナ科の野菜を栽培していた場所に移すのもNGです。
※連作障害・輪作の仕組みを知りたい方はコチラ。

まとめ
白菜は植え付け時期を守り、土にしっかり栄養を施すことが出来れば、時期が来ると結球を始め、美味しい白菜に育ちます。
野菜栽培初心者の方からすれば、手間も多く、ちょっと難易度も高めの作物ですが、成功出来れば、今後の野菜作りにかなり自信を持てるはずです。
お鍋・漬物・炒め物などなど用途の多い野菜ですし、冬に不足しがちな栄養を手軽に取れる万能野菜ですので、ぜひぜひ挑戦してみてください。
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